いま注目を集めているポータブル電源。
災害の多い日本では以前からポータブル電源が話題となっていましたが、2024年になり自然災害が増えたことでより注目が高まりました。
しかし、言葉は耳にしたことがあるものの、実際どういったものかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、ポータブル電源を詳しく説明していきたいと思います。
ポータブル電源って一体なに?
なんといっても大容量のバッテリーを搭載しているのが特徴。
個人で持ち運び可能な、長期保存に適した商品となっています。スマホ充電などで使われるモバイルバッテリーの大容量版と考えていただくとわかりやすいと思います。
ほとんどの商品でリチウムイオン電池を使用。乾電池などで使われるアルカリでは、価格は安いものの、一度使い切ってしまうと使用できなくなってしまいます。
放電と充電を繰り返して使うことができ、電池の消耗が少ないリチウムイオン電池は、ポータブル電源に適した素材となっています。
モバイルバッテリーとの違い
出力ポート
まず一つ目に違う点が出力ポート。電化製品を動かすときには必要となるもので、モバイルバッテリーとは決定的に異なります。
ポータブル電源は、AC出力ポート、DC出力ポート、シガーソケットの出力ポートを搭載する製品がほとんどです。
しかし、モバイルバッテリーのほとんどはDC出力ポートしかないものばかりとなっています。各製品に搭載されるDCポートは、パソコンなどに使われる交流電源となっていて、主にUSBからの給電となり、用途は限られます。
ACポートとは、それぞれの家にもあるコンセントから給電される交流電流。普段の生活で使っている扇風機やキッチン家電、ドライヤーまでも使うことができます。
さらに、車載製品につくシガーソケットでの給電も可能。幅広い電化製品を様々な場所で使うことができます。
バッテリー容量
バッテリー容量にも違いがあります。ポータブル電源は小型のものでも240whの容量が平均的。これはスマホのフル充電が24回分と、非常に大きなバッテリーを搭載していることがわかります。
それに対し、モバイルバッテリーは多くの商品が36whとポータブル電源に比べパワー不足となっています。その理由として、電気用品安全法によって厳しく規制されており、法律によってモバイルバッテリーの容量に制限がかけられているためです。
こんなときに大活躍!
電気が使えなくなる非常時
災害などで電気が使えなくなってしまったとき、ポータブル電源はとても活躍します。
地震や台風など自然災害が絶えない日本。インフラが発展しているとはいえ、突然電気が使えなくなる事態が予想できます。
現代は多くの電化製品によって豊かな生活が送れ、スマホをはじめ、テレビなど多くの電化製品に囲まれています。急なトラブルでもポータブル電源があれば、普段の生活と変わらずに過ごすことができ、防災グッズのひとつとなっています。
さらに、ポータブル電源はソーラーパネルでの充電も可能。万が一電気の復旧が遅れても、太陽の力で充電が出来るので心配がありません。
アウトドア
災害時だけでなく、アウトドアでも使うことができます。アウトドアをする場所は、森や海、川など自然にあふれた場所が多く、電気の届かない場所がほとんどです。
ポータブル電源ひとつあれば、IHヒーターを使えたり、小型の冷蔵庫を持って行けたりと食事の質が向上します。
さらに季節に合わせた電化製品も使えます。夏であれば扇風機、冬だったら電気毛布。まるで家がそのまま大自然に移ってきたかのような環境が整います。
そして最近流行の車中泊でも大活躍。アイドリングせずに家電が使えるので、周囲に迷惑をかける心配がありません。
ほとんどのポータブル電源がシガーソケットでの充電ができるので、車での移動中に充電ができ効率アップします。
電気の届かない場所での作業
意外にも普段の生活でもポータブル電源は活躍の場が用意されています。もし家の庭にきれいな芝生が生えていたら、定期的にカットしなくてはなりません。
いつもであれば、外のコンセントから延長コードを引き、からまったりしながらやっとの思いで芝刈りをしている方多いでしょう。
ただ、ポータブル電源があれば延長コードがなくても、目の前にコンセントが用意できるのでひと手間を省くことができます。
さらにコロナ禍以降多くの会社が取り入れたリモートワーク。パソコンが必須となるリモートワークでは、電源の近くから離れることがなかなか難しいですが、ポートブル電源があることによって、ベランダで作業できたりと、場所を選ばずに仕事に取り組むことができます。
知っておくべき用語4選
正弦波
正弦波に対応したポータブル電源を購入しましょう。
家庭用コンセントで使われる交流電源には、正弦波、短形波、修正正弦波の3種類があります。多くの家電は正弦波に対応しており、もし他の波形に対応したポータブル電源を購入してしまうと、家電が動きません。
そのため、正弦波という言葉を忘れずにしましょう。
50Hz,60Hz
周波数の違いにも注意が必要です。日本国内では静岡県の富士川から東側が50Hz、西側が60Hzと分かれています。
電化製品はそれぞれの周波数に対応するように作られていますが、間違ってしまった場合、動かなかったり、故障の原因となります。
ポータブル電源も同様で、周波数の違いがあるのでよく確認しましょう。製品によっては周波数の切り替えが可能なものもあるので、併せて確認しましょう。
PSEマーク
PSEマークとは電気用品安全法のマークとなります。一定の基準を満たした安全な製品の証となり、指定の製品には必ずついていなくてはなりません。
ポータブル電源は指定の製品となっていないためPSEマークはついていません。ただ、ACアダプター充電器にはPSEマークが必須となります。PSEマークにはひし形と丸形の2種類あり、ACアダプターにはひし形のPSEマークがついています。
PSEマークのない製品を使うと、故障や火災の原因となり大変危険です。ひし形のPSEマークを必ず確認してください。
定格出力
定格出力とは安定して電気を供給できる値となっています。
使用する電化製品の消費電力(W)が定格出力を上回ってしまうと、電気が送れず運転が止まってしまいます。普段の生活だとブレーカーが上がった状態となります。
また、同時に高出力の製品を使ってしまうと同じく運転が止まる原因となってしまいます。ポータブル電源の定格出力は高い値の製品をおすすめします。
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